税理士法人錦織会計事務所 相続税対策チーム

税務調査

01 税務調査について(当法人のサービス)

相続税は他の税目と比べると高い確率で税務調査が実施されます。当法人はこれまでの経験を活かし、税務上問題にならないような申告書の作成を心がけています。また、お客様に対して税務調査が実施される場合には、相続税担当の税理士が立ち会い、万全な体制でお客様をサポートします。

税務調査の実態(広島国税局管内)

●5人に1人の割合で税務調査が実施されています。※簡易な接触を含む
●税務調査があると80%超の割合で申告漏れが発見されます。
●相続税の税務調査1件当たりの追徴税額は平均859万円です。

※出典:令和5事務年度国税庁「報道発表資料」より

02 税務調査Q&A

  • Q1税務調査は拒否できませんか
    A1原則として税務調査を拒否することはできません

    調査官には相続税の調査に関連して必要があるときに帳簿書類やその他の物件を検査することを認めた質問検査権という権限が与えられています。 税務調査には納税者の同意が必要ですが、正当な理由のない調査拒否、質問不答弁、虚偽答弁などに対しては罰則が設けられており、納税者には質問検査の受忍義務があります。

  • Q2突然、税務調査にやって来られますか
    A2事前に連絡があります

    原則として、突然に税務調査が実施されるようなことはありません。
    税務調査が実施される場合は、通常は、その相続税の申告業務を受任した税理士に税務署から事前に連絡があります。相続人の皆様には、税理士から連絡をとり税務調査の日程を調整することになります。

  • Q3税務調査で一番問題になるのは何ですか
    A3生前贈与・名義預金が問題になることが多いです

    国税庁の報道発表資料によれば、相続税の税務調査により申告漏れと指摘される財産の第1位は「現金預金」となっています。税務調査でたびたび問題となるのは「生前贈与」とこれに関する「名義預金」と思われます。

  • Q4名義預金とは何ですか
    A4親族の名義で預けられている預貯金のうち実質的な所有者が被相続人であると認められる預貯金を「名義預金」といいます

    配偶者、子、孫などの名義になっている預貯金であっても、その資金の出どころが被相続人からであり、かつ、被相続人が管理、支配していたような事実が税務調査で判明すれば、その預貯金は被相続人の相続財産として認定され相続税が課税されます。

03 預貯金に関する税務調査の視点

亡くなった方(被相続人)の預貯金だけではなく配偶者、子、孫など親族名義の預貯金まで税務調査の対象になることがあります。税務調査が実施されると、下記のような視点で預貯金に関する質問・調査を受けることになります。

調査官は金融機関などに出向き、被相続人や親族の預貯金の入出金記録を調査することができます。 配偶者、子、孫などの名義になっている預貯金であっても、その資金の出どころが被相続人で、贈与契約書や贈与税の申告がなく、その預貯金の管理状況などから実質的な所有者が被相続人であると認められるような預貯金を「名義預金」といいます。 名義預金は被相続人の財産とみなされ相続税の課税対象となります。 配偶者、子、孫などの名義になっている預貯金であっても、その名義者本人が、その預貯金を預け入れた経緯などを調査官に対して説明できなければ「名義預金ではないのか」と疑われることがあります。

調査官は、誰が金融機関で入出金手続きをしたのか、どこのATMで現金を引出したのかを調べ、預貯金の管理者を確認します。 被相続人の預貯金を親族が管理している場合に、その預貯金の口座から頻繁に現金が引き出されているような事があれば、その引き出した現金の使途を調査官から質問されることがあります。 被相続人の預貯金を、親族が消費していると相続税・贈与税の課税問題が生じる場合があります。

被相続人の指示なしに、キャッシュカード等で被相続人名義の預貯金を引出せば、その現金を被相続人から預かっているものとみなされ相続税が課税される場合があります。 「被相続人からもらったお金」と説明しても、その預貯金を引出した時点で被相続人が老人ホーム等に入居しており、正常な判断ができないような状況であれば贈与が成立しないため相続税の課税問題が生じます。

贈与税の時効は6年ですが、調査官に対し、安易に贈与税の時効を主張することはできません。 過去に大きな現金の贈与を受けているのにも関わらず贈与税の申告がされていなければ、調査官から「なぜ贈与税の申告をしなかったのか」、「贈与税の申告がないという事は、お金をもらったわけでなく、お金を借りているのではないか」と指摘され、「もらった」という贈与行為を疑われるケースがあります。もし、「お金を借りた」ということになれば、それは被相続人の貸付債権(相続財産)となり、相続税が課税されることになります。

04 現金を贈与する場合のポイント

現金は、不動産の贈与手続きとは異なりコストが不要で、簡単に生前贈与することができるため、後になってから「本当に贈与されたのか」「節税を目的とした形だけの贈与ではないのか」などと税務調査でトラブルになる事例が見受けられます。また、遺産分けの話し合いのときに他の相続人から「生前贈与の話なんか聞いたことがない」「キャッシュカードで勝手に預金を引き出しただけではないのか」と問い詰められることも考えられます。後々に問題が生じないような贈与を心がける必要があります。

  • 「あげる人」と「もらう人」がお互いに贈与の確認をしていること
  • 贈与契約書を作成しておくと、お互いの贈与の合意を証明しやすい
  • 現金をもらった人が、自分でその現金を管理していること
  • 受贈者が普段利用している普通預金口座に贈与金を受け入れる方がよい
  • 贈与額が年間で110万円を超える場合は、贈与税の申告をすること

05 生前贈与をめぐるトラブルの事例

孫に対するお祝い金
贈与の方法
祖父は、孫が誕生した際にお祝いとして孫名義の預金口座を開設した。その後、祖父はその預金口座に毎年100万円ずつ現金を振り込む方法で贈与を続け、その祖父が亡くなった時には、孫名義の預金残高は2,000万円を超えていた。
税務署の主張
この孫名義の預金口座には入金だけがあり出金がなく、お孫さんが使用した形跡がありません。お孫さんは大阪で暮らしているのに、なぜ、亡くなった祖父の利用している近所の銀行に預けっぱなしにしていたのか。この孫名義の預金2,000万円を祖父が管理していれば、いわゆる名義預金で祖父の相続財産として相続税が課税されます。もし、この預金はお孫さんの所有物で相続財産ではないというのであればお孫さんに会わせてほしい。本人にいつ、どのような形で贈与契約をしたのか確認したい。
妻のヘソクリ
贈与の方法
妻は、専業主婦で収入がなかったが、夫の給与が振り込まれる預金口座を管理しており、毎月ヘソクリとして夫の預金口座から妻の預金口座に少しずつ金銭を移して、夫が亡くなった時には、妻名義の預金は3,000万円を超えていた。
税務署の主張
「夫の収入の中からヘソクリをして貯めた」ということなので、この奥様名義の預金3,000万円の出どころは亡くなったご主人の収入です。例え、奥様が自分名義の預貯金にしても、そのヘソクリは、亡くなったご主人からの預り金なので、ご主人の相続財産として相続税が課税されます。もし、ご主人からもらったお金だと言われるなら贈与契約書や贈与税の申告書など、現金の贈与を受けた明確な記録が残してありますか。
キャッシュカードで現金引出し
贈与の方法
父は亡くなる数年前から痴ほう症になり老人ホームに入居していた。父の預金を管理していた長男は、相続税を節税する目的で父のキャッシュカードで預金を引き出して、孫などの親族関係者に現金の贈与を繰り返していた。
税務署の主張
老人ホームの施設関係者に確認したところ被相続人は重度の痴ほう症で贈与の判断ができるような状態ではなかったので、贈与は成立しない。長男が贈与を仮装して、被相続人の預金口座から勝手に引き出した金銭は、その預金を引き出した長男に対する貸付債権となり、被相続人の相続財産として相続税が課税されます。

06 税務調査のチェックポイント

  • 過去に多額の預貯金の出金・引落しがないか

    過去10年くらい遡って預貯金の資金移動を調査されます。親族に対する無申告の贈与がないか、貴金属、自動車などの高額な物品の購入がないのか、調査をされます。

  • 親族が多額な預貯金や有価証券を所有していないか

    所得の少ない親族が多額の預貯金や有価証券を所有していると、その取得資金の出どころが被相続人からではないかと、調査をされます。

  • 生前贈与が成立するのか

    生前贈与により子や孫名義の預貯金になっていても、贈与を受けた本人がもらったお金の存在を知らなければ、生前贈与は認められず名義預金として相続税が課税されます。生前贈与が成立するのか、生前贈与の経緯を調査されます。

  • 預貯金の管理者は誰か

    預貯金から多額の引き出しがあるような場合には、預貯金の管理者に資金の使途を確認されることがあります。預貯金の管理者が現金を持っているのではないかと、調査をされます。

  • 相続税の納税資金をどこから出したのか

    相続した預貯金より高額な相続税を納税した相続人については、その納税資金の出どころが調査をされます。

  • 配偶者の相続した預貯金の行方

    配偶者が取得する遺産は、相続税の軽減措置が受けれるため、形だけ配偶者が預貯金を相続したことにして、実際には別の相続人が預貯金を受け取っていないか、調査をされます。

  • 預貯金の口座から保険料の引落しがないか

    子や孫の生命保険の保険料を被相続人が支払っていると、その保険契約の内容が調査されます。 解約返戻金があるような保険であれば、相続財産となり相続税の課税対象となります。

  • 過去の所得税の確定申告が正しいか

    相続財産に賃貸用の不動産があれば、その賃貸用不動産と過去の所得税の確定申告における収入状況が合っているのか、調査をされます。

  • 過去に金・プラチナを売却していないか

    金・プラチナを売却して200万円を超えると買取業者は、その取引内容を記録した支払調書を税務署に提出します。 そのような支払調書が提出されている場合は、相続財産に金・プラチナがなかったのか、その売却代金がどこにいったのか調査をされる可能性があります。

  • 被相続人の生前の判断能力

    相続税対策として生前贈与や養子縁組を行ったその当時の被相続人の判断能力を調査される可能性もあります。その当時、痴ほう症で被相続人に判断能力がない状態であれば贈与や養子縁組はできないため相続税の課税問題が生じます。

  • 被相続人の趣味は何か

    税務調査の際、被相続人の趣味を確認して、貴金属、骨董品、書画、切手、記念硬貨、ゴルフ会員権、自動車などの趣味に関連する財産の申告漏れがないか、調査をされます。

  • 過去に不動産、有価証券の譲渡はなかったか

    不動産や有価証券の売却代金が、その後、どのような形で財産として残されているのか、そのような資金が親族に無申告で贈与されていないか、調査をされます。

  • 遠方に所有している不動産がないか

    過去に住んでいた場所、遠くで生活している子の住所地に被相続人が不動産を所有していないか、その地域の役所に照会して、不動産の調査をされる可能性もあります。

  • 海外に財産を隠していないか

    100万円を超える海外送金については、金融機関から税務署に「国外送金等調書」が提出されその内容が通知されています。被相続人及び相続人の居住・生活状況などから海外に財産がないか、調査をされます。

  • 貸金庫がないか

    金融機関の貸金庫の利用料金の口座引落の履歴などから貸金庫の利用が判明すると、税務調査の際に金融機関に同行して貸金庫の開扉を求められ、金庫の中を確認されることもあります。調査官は被相続人の死亡日前後の貸金庫の開閉の記録も調査します。

  • 同族会社に名義株、名義貸付金がないか

    株式を所有している自覚のない名義だけの同族会社の株主や会社に金銭を貸し付けている自覚のない同族会社の債権者がいないか、調査をされます。実態のない名義株や名義貸付金は被相続人の相続財産とみなされ相続税が課税される場合があります。

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